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理科の解剖実験


 今ではとても信じられないだろうが、小学校の頃にカエルの解剖実験をした。


 「解剖実験」と呼ばれていたが、解剖して何か実験するわけではない。

 カエルを解剖する実習そのものだった。


 浮き袋や内臓などを丁寧に開いて、見本のようにカエルの臓器を確認した。


 この時はみなが真剣だった。

 みなが命というのもを少なからず感じていたので、ふざけるということはなかった。


 とても厳かな授業だった記憶がある。



 今も小学校低学年であんなことをやっているかどうかは知らないが、なかなかよい授業だったと思う。




 私はカエルの浮き袋がとても気になった。

 中にまだ空気が入ってそうな灰色の小さな小指の先ほどの浮き袋だった。


 こんな授業を受けたからか、よく昔の子供のイタズラで生きたカエルに空気を吹き込んで破裂させるとか、そんな話を聞くがやった覚えがない。

 カエルを採るということをしなかった。



 歳をとってもカエルの鳴き声は気持ちがいい。

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