日直と書いて「ひじき」と読んだ子供の回答があって、その話で爆笑したことがある。
たいてい日直と言うのは二人でやった。
二人でパートナーを組んで、挨拶の号令かけや黒板の字を消したり、教材をクラスに運搬することなんかをやった。
みなに必ず持ちまわりで回ってくる番なのだが、それぞれ日直になると晴れがましい気分になったものだ。
責任や役割というものを実感する瞬間だった。
歳をとっていろんな役回りを嫌がったり我関せずとばかりに逃げ回る連中がいるが、子供の頃にそういう役回りを嫌がる子供は出なかった。
仕事はその日によって多い時もあり、少ない時もあった。
理科の実験なんかがあればやることは多くなるし、何もないような日であれば教師が無理やり何らかの仕事を作ってやらせた。
「当番」という言い方をするものもあるが、それとは別だ。
学校によっては「日直係」という言い方をしたところもあった。
日直の相手はたいてい女の子、そうでなく同性同士の場合もあったが基本的には男と女でペアを組んだ。
今ならちょっとやらないかも知れない。
前日に日直の順番が発表され、相手が人気者の女の子だったりすると歓声が上がった。
そうして日直になるといそいそとそのカワイコちゃんにかしずいて、せいぜいよい印象を得ようと一生懸命頑張った。
そんな子供の頃から早くも色気づいていたのだ。
結局、それが一番の日直のインセンティブだったかも知れない。
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