歯並びが悪いと育ちが悪く見えるという、親の見得みたいなもので歯の矯正に通った。
歯にワイヤーをかけて締め上げて矯正する方法もあったが、入れ歯のようなマウスピースを入れて就寝中だけにそれをして矯正するという方法をとった。
子供たちの中にはワイヤーをかけて矯正する方法をとっていた子もいて、ニッと歯を見せると矯正中であることが丸分かりの子もいて、そういう子はやはり目立った。
「歯の矯正」という言葉をみなが覚えた。
何か立ち入ってはいけないような気がして避けられた話題だ。
なにしろ誰が見ても奇妙なのだから、それを堂々としているというのには理由があるのだろう、そういう理解をされた。
その歯の矯正をするという意味が社会的な評価につながっていると理解できた子供は少なかっただろう。
何か不都合があるのだろうがよく分からないが体面を犠牲にして大変なことだ。
せいぜいがその程度の理解ではなかったか。
貴重な子供の発育過程にそういうハンデを負ったというのはいくら将来につながるとしても過酷なものを感じる。
実は歯の匡正などもっと成長してからやっても遅くはない。
人格形成がある程度されてからやったほうがいいとは思う。
金持ちの子供が多い印象があるが、大人しい子に限ってワイヤーでの矯正をしていた記憶がある。
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