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社会の窓


 そういう言葉があった。

 誰が言い出したのか、記憶では教師から最初に聞いた言葉だったと思う。



 男子のズボンのチャックが開いたままになっていて、それを指摘する時に言われた言葉。


 「社会の窓」って、今考えると猛烈な違和感がある。

 

陰部は社会に晒すもんじゃない。


ヘタをすれば、公然わいせつ罪だ。しまっておけ、ということか。


 それとも、いずれ社会に出てゆき結婚したり子供を作る。その最初に飛び出す窓が股間のそこだ、とかw。

 
 時代が違ってしまって、自分も歳をとり、もはやどんな由来だったか思い出せない。



 「ズボンのチャックが開いている」と言えばよいものをなんで淫猥な言い方になったのか。

 やはり変態の日教組教師が言い始めたのだろうか。



 オチンチンを取り出して、男子はやたらと外で立ち小便をするからなのか、みんなが見ているから、社会が注視しているからなのか(笑)、今となってはどっちだったのか。



 子供たちはこの言葉というか洒落みたいな言い方を喜んだ。

 あっという間に流行して「社会の窓」と言い始めた。


 しかしヒネりはなかった(笑)。

  子供たちもなぜこのチャックがというのは分からなかったからだ。



 子供の頃はよくズボンのチャックが壊れたものだ。

 今となってはあり得ないほどの頻度で壊れた。

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