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嘔吐


 子供の頃はよく嘔吐をしていました。

 学校帰りで、学校の裏庭で。

 人知れず、嘔吐していました。


 その後、カミユの小説に惹かれたというのは、決して偶然ではないでしょう(笑)。

 冗談でもなくてw。



 私の場合、クルマや電車に酔うということではありませんでした。

 遊んでいて暴れ、尻餅をついたりすると頭痛とともに嘔吐してしまうのでした。

 きっと脊髄を通って脳に衝撃が伝わったからだと当時からそう思っていました。


 そしてそのうち、それが慣れになっていました。


 だから嘔吐して保健室へ行ったということはありません。

 気持ちが悪くなり、いつものことだと感じれば人に分からないよう、校舎の裏とか学校の帰りなどに隠れて嘔吐をしていました。



 これに対し、本当にすぐ人前で吐いてしまう子というのはいて、乗り物に酔ったり、かけっこをしていても、また友人と「カゴメカゴメ」なんかをするだけで、すぐに目を回してしまうような子がいました。

 主に女の子。

 よく彼女たちが教師に保健室に連れていかれるのを見たものです。



 それは決して病弱という理由ではなかったでしょう。

 何かのことがキッカケだろう、どうにもならない原因からだろうと、私は自分のことからそう思っていましたから、病弱な子供として教師が常に扱おうとしているのを見て、ちょっと気の毒に思っていたものです。

 昭和の時代、「病気がち」というのはそれだけで差別されるものがありました。



 そしてその通り、そういう子は案外と強いもので、風邪で休んだことがなかったりしたのです。


 こういう、学校側からの対応で病弱のキャラが立ってしまうというのは教師の偏見、職業怠慢の不注意だったと思います。




 そういうレッテル貼りというのを昭和の時代には、教師たちはよくしたものです。


 きっと自分たちが左巻きで、教師の仕事をサボタージュして日教組なんかの活動をしていたという引け目からだったのでしょう。

 
 今よりも日教組はずっと弱小でした。

 そして常に色眼鏡で見られていた。
 その裏返し(笑)。



 日教組の教師が白眼視されていたのは当たり前のことです。

 教師がその思想偏向をあからさまにしていては、子供に教育など出来ない。安心して預けられるわけがありません。

 
 それとも、何も知らない子供だからと、キムチは世界一旨い食品だと、奇妙なデマを押し付けるのでしょうかw。

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学級新聞

学校のクラス単位で「学級新聞」が作られることになりました。

 少し高学年になった頃のことです。


 大きな紙にみんなでマジックで記事を書いて、それぞれのクラスの外の壁に貼り、みんなに見てもらうという企画でした。
 
 完成すると、休み時間に他のクラスの新聞を見に行ったりしました。


 「新聞」というと、普段から横目で見ていたりテレビ欄を見ているあの新聞のことです。

 その新聞に似せるようにして作るのですが、学級新聞にはどんなことを書くのか、どんなニュースを書いたらよいのか、話し合って決めました。


 他のクラスでは教師が先導してクラスのニュースや飼っているウサギの話などを書いて体裁を整えていたり、あるクラスではただの寄せ書きのようになってしまっていたり、それぞれが違っていました。

 テレビ欄を作ったり、給食のメニューを載せたりした記事もありました。


 新聞のロゴを作ったり、記事は鉛筆で下書きしてからその上からマジックでなぞったり、挿絵を描いてみたり、「新聞の体裁を真似する」というところが主なものだったかも知れません。

 書く文体はたいてい敬語で、です・ます調でした。

 普通の新聞はそういう文体ではありませんから、模倣するならおかしなことでした。

 でもどのクラスの新聞もそんな文体で、みんな「学校側に見せる」という意識があったのだと思います。

 
 学校からのお仕着せの企画でしたので熱心な子供はあまりいませんでした。


 図書館には「小学生新聞」というホンモノの子供向きの新聞というものがありましたから、それもシラけさせてしまう原因だったかも知れません。

 視聴覚教室にしてもそうでしたが、学校側の企画というのは空回りすることが多いものでした。


 だから、誰と誰が好き合っているとか、誰の成績がどうだとか、バレンタインデーの成果がどうだったとか、そんな記事が出るはずもなかったのです。


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