子供たちの寄り道の先は日替わりで色々でした。
駄菓子屋に寄ったり、友達と公園で遊んでから帰ったり。
その日の気分、その日に一緒に帰る友達の都合によります。
「一度、家に帰ってランドセルを置いてから出かけなさい。」
そんな風にいいつけられてはいましたが、帰ってからまた集まるのが不便な子供もいて、そのまま帰り道に遊んだりしました。
よっぽど仲がよかったりしても塾や習い事がある子供もいたりしましたから、寄り道ぐらいしか学校の外で友達たちと遊ぶというのが難しかったというのもあります。
その上、子供たちの帰る方向はバラバラです。
ですから、遠回りしながら帰ることになります。
子供たちにとっては、帰りの途中で、方向を違えなければちゃんと帰路についていることになるという理屈でした。
そのうち、学校が放課後の校庭の開放をするようになったのも、そんな寄り道の防止というのがあったかも知れません。
当時は子供の誘拐事件などもありました。
最近の子供は寄り道をしないと聞きます。
色々と不自由な世の中になっていったのでしょうか。
駄菓子屋などで寄り道をしていると、通りかかった女子から後ろ指をさされたものでした。
「男子が買い食いなんかしてる」なんて言われたものです。
コーラを買ったり、駄菓子を食べたり。
帰り道をそんな風に友達と過ごしたのでした。
そうやって買い食いしたり、店に寄ってもんじゃ焼きなんかを食べたりして、子供たちは世間の空気に馴染んでいきました。
女子はあまり寄り道をすることはありませんでした。
女の子がそれでは困りますから、それでよかったのかも知れません。
その代わり、女の子たちは帰宅後にそれぞれの家に行ききしてマンガを貸し借りしたり、学校外での交通が男子よりもあったようです。
[0回]
PR